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わたしの秘密のゴールデンフィンガー③

 はじめから読む→「わたしの秘密のゴールデンフィンガー①」

「大丈夫か?」
 バレー部の練習中に、白石珠子がムリな体勢で体をひねった。
 顧問の柴崎は、彼女をコートの脇に座らせた。
「どこが痛い?」
「腰が……」
 珠子は、バレー部の中心選手の一人だった。
 彼女がケガでレギュラーから外れるのは、チームとして大きな痛手になる。
「腰か……この辺か?」
 柴崎は、ケガの状態を調べるために、珠子の腰を軽く押した。
「あん!……そこじゃ、ないですよ……」
「すまん。じゃあここか?」
「あん!……そこでもないですよ、先生ってば」
 また違う場所を押すと、珠子はまた色っぽい声を出した。
 さすがに、他の部員も気になって二人に目を向けた。
「先生、セクハラですよ」
 そう、キャプテンの黒井百合花が、冷たく指摘した。
「おい、白石、変な声を出すなよ」
 柴崎も珠子も、顔を赤くしていた。
「だって、先生の手、あったかくて気持ちいいんだもん……」
 そんなこと言われて、柴崎は珠子に触れるのが、急に怖くなった。
「おい、ちょっと誰か、白石を保健室に連れてってくれ」

 なんだか変な一日だった。
 柴崎は自分の手のひらを見た。
 この手でみちか先生をマッサージして喜ばれ、珠子にも気持ちがいいと言われてしまった。
 もしかして、自分にはマッサージ師としての才能があったのだろうか。
 家に帰ると、妻の亜希と三歳になる息子の良太が待っていた。
「ほら良太、遊んでばかりいないで、オモチャを片付けなさい!」
「やだー」
 良太は、部屋を散らかしていた。
「ごめんなさい、あなた、ご飯、もうちょっと待ってね」
 亜希は、疲れた顔で言った。
 彼女は、大手の食品会社で働いていた。
 総合職で、もともと柴崎より稼ぎが良かった。
 良太が産まれて育児休暇中だったが、この春から復職したのだった。
 時間は短縮してもらっているが、家事に育児に追われながらの仕事は、たいへんそうだ。
「大丈夫だよ、何か手伝うよ」
「いいわ、大丈夫」
「そうか……」

 良太を寝かしつかせて、ようやく亜希が寝室の布団に入ってきた。
「どうかしたの?」
 亜希は、となりの柴崎を見た。
 柴崎は、もじもじしながら亜希を待っていた。
 今日は、なんだかムラムラする日だった。
「うん……今夜、どうかなと思って」
 柴崎は布団の中で手を伸ばし、亜希のパジャマに手を入れた。
 胸の下の肌を撫でる。
 亜希は、無表情で柴崎を見つめた。
「いいよ。でも疲れているから、あんまり期待しないでね」
 妻の冷めた目に、気持ちが萎えてきた。
 結婚して、十年。
 二人ですることはするが、だんだんと淡白になってきた。
 特に良太が産まれてからは、ただの確認作業のようなものだった。
「疲れてるなら、無理しなくていい……」
 結局、その日は何もせずに眠った。

テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

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